二−7 米子空港滑走路延長事業に伴う諸課題について

 次に、米子空港滑走路延長事業に伴う諸課題についてであります。

 間日本海時代の拠点としての地域作りを進め、関係諸国、地域との交流促進に励む我
が県にとって、交流の起点、特に交通基盤整備は欠かすことのできない大きな命題であり
ます。海の交流拠点境港は、本年念願の5万トン岸壁の竣工を見、続く臨港道路、江島大
橋の開通によって、さらなる拠点圏域の拡大、交流促進に向けた基盤整備が着々と図られ
ているところであります。

 方や、空の拠点である米子空港については、懸案の滑走路延長事業が、いよいよ本年
度末から事業着手という段階に入りました。本体事業費115億円は、周辺地域活性化事
業費55億円から65億円を合わせると、総額で170億円から180億円にも及ぶ本県最大
級の事業になると同時に、東西わずか3キロメートルの弓浜半島に2.5キロメートルの滑
走路をつけるということが、地元にとってはどれほど大きな変化、影響をもたらすか、その
一端について、私は去年この議場で知事に申し上げたわけであります。県政上の大きな課
題に対し、さまざまな不安を抱きつつ地元が同意に及んだ。そのことの重みを踏まえ、両者
を整合させるべき提唱したのが湾岸道路の建設であります。ご理解を賜りたいと思います。

 続いて、いよいよ始まる延長に伴う諸工事と自然環境への影響について述べさせていた
だきます。

 既に知事も御承知のことと思いますが、三方を海で囲まれた弓浜半島は、日本最大の砂
州であるとともに、淡水レンズと呼ばれる極めて特殊な地下水を持った地域として、我が国
初の研究がなされたところでもあります。地下50センチから1メートルと非常に高いところ
に位置する弓浜半島の地下水は、淡水層の下に砂地層、粘土層、その下にガスを含んだ
塩水層から成り立ち、レンズ上の巨大な水がめとなっております。空港はこの水がめの中
心部に位置し、さきの鳥取県西部地震の折も、干拓地、埋立地並みの液状化現象を呈し
たのであります。

 さらに、この淡水レンズの水は、半島の最も高い砂丘列を走る米川によって涵養され、米
川に沿って形成される地下水の谷が川にかわる排水路の役目を果たしながら、中海と美
保湾の両方向に注いでおります。水なしの地、無毛の地であった弓浜半島に恵みの水を
もたらした米川は、中海淡水化事業の中止に伴う代替水源、恒久水源として、未来永劫に
わたって守っていかねばならない弓浜半島の命綱であり、予定される国営改修事業に大い
に期待するところであります。

 現在、国土交通省が取り組んでいる環境影響評価調査においても、地下水の項目は、
工事の施工による環境のみならず、飛行場の存在そのものがもたらす重大な環境要因で
あると指摘しております。私は、これから始まる工事が、この米川と連動して地域を成り立
たせている地下水、淡水レンズを傷つけることのないように、万全の構えをお願いしたいの
であります。空港整備は、国土交通省、米川改修は農林水産省と国レベルの所管が分か
れ、したがって、県においても県土整備部と農林水産部の2つの部がそれぞれを所管する
わけですが、現場は1つであります。本年度から工事着手が予定される県土つけかえ工事
やJR境線のつけかえ、工事また滑走路延長の本体工事に当たって、地域の地下水、用水
問題との整合性について、見識ある片山知事の答弁に期待するものです。




                                      知事の答弁



        ページのトップへ | 質問項目へもどる | 次の質問へ